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2006年05月14日 Archive

資産運用会社 INDEX運用


僕は資産運用会社に勤めている。

僕のかみさんも残すところあと1週間ちょいだが、同じ業界に勤めている。

これまでも幾度か仕事(といより勤務している会社の愚痴)を書いてきたが、せっかくなんで、仕事に関してのも書いてみることにした。これまた愚痴っぽい内容になり、それはそれで、みんなから笑われるかもしれないけど、そんなことおかまないなしとしよう。

私が勤める資産運用会社は、説明する必要も無いと思うが、簡単にいうと、みなさんのお金を集めて、運用してあげることが仕事である。

われわれは、運用してあげる変わりに、手数料をもらい、それが僕らの給料の源泉となっている。

よって手数料をもらうくらいだから、みなさんに比べると、よほど、上手く運用できることがミソとなっている。

しかし、どこのウマシカでもわかることだと思うけれど、そんなに上手く運用できるのであれば、わざわざみんなのお金を集めなくても、どこそこからお金借りてきて運用すればいいのだが、実際多くの運用会社はそんなことをしない。

何故かというと、
単純に言うと、運用が上手かろうが、下手であろうが、他人から手数料もらったほうが「確実」に収益があがるからである。

プロといわれる資産運用会社であっても、自分の金で売り買いするよりも、他人の金で売り買いをする方が、たくさん儲かる、儲からない、、、ではなくて、確実に収益が上がるという認識をもっているわけである。

(*もちろん、運用する資産の収益に対して報酬をもらう、資産運用会社もあります。)


ようは、
みなさんの資産を運用する会社が率先して、
「ネット証券なんかで株売り買いするよりも、もっと本業に力を入れて、給料(固定給)を上げる努力したほうがいいですよ」ってなことを実践しているわけだ。

それでも、運用のプロっていう看板を掲げている限り、運用が余りにも下手くそであると、みなさんのお金が集まらなくなるので、やはり、ある程度の運用能力は必要となる。

ところで、資産運用の世界で軸となっている運用手法はINDEX運用である。 多くの年金基金や、個人向けの投資信託などは、何らかのINDEXをベースに、資金が運用されている。

INDEX運用とは、日経平均株価指数や、TOPIX株価指数など、運用対象となる資産の指数を決めて、その指数と対比して資産を運用するのである。  日経平均株価を対象としたファンドであると、ここ1年指数が30%上がったとすると、資産運用会社が計られる能力は、あくまでも、絶対利回りではなく、指数の30%に対して、自分の運用資産が、どれだけ運用利回りが、よかったか、わるかったが、主な焦点となる。

運用会社から見れば、INDEX運用を主流とすることで、
? とりあえず、対象となる指数の動きを反映するポートフォリオさえ作れば、他に難しいことを考える必要がなくなる。(たとえば、「ある株は今後、上がるります。これは下がります。」なんてことは、お客さんのお金を集めるために、いかにそういったことを真剣に考えていることを見せるのかは大事なんだけれど、実践して結果を残す必要はあまりなくなる。)
?だれが運用しようが、ほとんど同じ結果になる。
?指数さえ上がれば、新規獲得資産が増えなくても、手数料の分母となる運用資産は指数に準じて増加することから、手数料は自然に増えていく。
?ほとんど資産の大小にかかわらず、運用コストは変わらないという、規模の経済性がある。

結論から言えば、他社よりも相当優れた運用能力をもった会社がない限り、どこの会社もどんぐりの背比べになるというのがミソであり、そういった意味でいうと、運用能力を看板に上げてはいるものの、考えようによっては、いかに収益(手数料)を楽に上げることを目的として、一方で、自ら己の運用能力を否定するような運用手法でもあるとの考えられる。

ここ10年くらいの結果を見てみると、やはり、どこの運用会社も継続して、INDEXを上回る成績を残せることはできているとは思えず、結局は、INDEX運用を軸とした運用を続ける限り、運用会社の運用能力で商品を売るというよりも、実際は、運用する会社の知名度、宣伝能力、商品の企画能力の優越度でしか商品が売れないのが現実である。

美国のある運用会社は、そこに注目して、それだったら、手数料を始めから激安なレベルに設定するかわりに、INDEXを上回ることを始めから目的とせず、ただひたすら、対象となるINDEXの動きを追随することを目的とする運用会社が10年ほど前から次々と現れはじめた。 この業界では、こういった運用手法をIndexのPassive運用といい、一方、Indexを基準としながら、Indexの動きを上回ることを目的とする運用手法をIndexのActive運用という。

もちろん日本にも、こういったPassiveのファンドは設定されているし、一部機関投資家も、積極的にPassive運用を主とするところは多い。 これはもちろん、手数料が安いというだけでなく、せっかく高い手数料を払っているにもかかわらず、Active運用というのは名ばかりで、どこの運用機関も継続的に対象となる指数を上回ることができないことの反動でもある。

しかしながら、こんな商品が主流となると、運用会社から見ると、
今まで以上の残高を集めない限り、
手数料率はActiveを運用している時の単純比較でいうと減る。
他社との差別化が計かれない。
自ら運用能力はまったくありませんって宣伝してるようなもんで、他のアクティブ商品の販売にも影響がでる。

ということで、今のところ日本では、積極的にIndex(Passive)運用を勧める運用機関は美国にくらべると相当少ないのが現状だ。
そのうえ、機関投資家ほど運用に対する選択肢をもたない個人投資家に対しては、たとえ、そういった投信を設定しても、ほとんどの運用機関は、Active投信で徴収される手数料とPassive(INDEX)投信で徴収される手数料をさほど変わらない水準に設定していたりしている。


ちなみにうちの会社の主力商品はIndex(Active)運用であるが、国内株式の運用については、僕が入社してから5年になるが、年度ベースでみて、僕の記憶では一度としてINDEXとなる指数を上回る成績を残したことがない。さすがに、いくらIndex運用で他社とのどんぐりの背比べ運用だとしても、ここまで悪ければ、客が離れていくことは避けられない。(実際日本株の運用資産は、ほとんどなくなってしまった) しかしながら、一応、今も運用のプロ集団として看板を掲げているので、社内でこの実情を公に批判することはタブーとされているようだ。なぜ、タブーかというと、過去の結果に対する反省ではなく、一番大きいと思われる理由は、いくら今の運用体制を否定したとしても、だれも、今後についても指数を上回るような運用体制に変えれる自信がないからだろう。

先述したが、指数と同じ収益を上げるには、たとえば、指数を日経平均株価指数とすれば、
どんな、うましか投資家であろうが、うちのかあちゃんであろうが、歴史に名を残した相場師であろうが、外資系運用会社であろうが、日経平均株価指数を構成する銘柄さえ買い揃えることができれば、同じ収益を上げることができるのである。(今だったら、現物株を買い揃えなくとも、指数先物を購入するだけで、概ね同じ収益を上げることができる)

以上、二つの話をまとめると、ただ単に、指数先物を買って得られる収益すら、Activeに運用すると、自信をもって、継続的に上回ることができますと言えないのが現状である。

自分が働いている会社に対しての悪口にしか聞こえないかもしれないが、これも先述したとおり、どこの運用機関であろうが、Index(Active)運用をしているところで、毎年継続的に指数を上回る成績を残せたところなんて、どこもないと思われるので、業界のほとんどが(もちろん、口には出さないが)この認識を持っていると言っても間違いないと思う。

資産運用のプロというのは、確かに一般の人達に比べると、運用商品や業界用語、マクロ、ミクロ経済、税金対策等について、ちょっとばかし、たくさん知ってるかもしれない。 しかし、株価動向の基準となる、INDEX(株価指数)を上回る運用能力をもっていることが、プロの条件として含まれているかと問われると、それは、、、、、、 ここまで読んでくれた(かもしれない)貴方が判断してくれればいいと思っている。

(注:全て私個人の見解であります。)

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